月別アーカイブ: 2018年9月

雨水対策(15)雨樋掃除器①検討

2階建ての離れは里山に隣接して建っているため、雨樋が枯葉ですぐに詰まります。
過去に雨樋の故障に端を発して里山の斜面が崩れたこともあって、昨年から雨水対策としていろいろと行なってきました。
その一つとして、昨年6月には雨樋(軒樋)に枯葉防止ネットを設置しました。

しかし、滞りなく排水されていたのも束の間、設置から4ヶ月後の10月には集水器付近から雨水が溢れるようになりました。

このときは集水器付近のネットの中に溜まっている細かい枯葉を取り除くことで対応できました。

その後、冬(落ち葉)と春(杉の花粉&笹の葉)を越す頃には集水器付近のみならず途中からも雨水が溢れる事態にまで悪化・・・。

雨水が溢れている箇所で枯葉が溜まっているものと考え、その前後の枯葉防止ネットを取り外して確認してみることに。
しかし、取り外したネットには枯葉が溜まっていないのです。
おそらく、その下流のどこかで堆積していて、軒樋の微妙な勾配の関係で違う箇所から雨水が漏れているようです。
こうなると全ての枯葉防止ネットを取り外して掃除するしかありませんが、ネットは軒樋の中に据えてあるだけとは言え、軒瓦との間に挟まれて簡単には取り外せないため厄介です。

それでも、どうにか全撤去。

1箇所だけでなくて複数箇所で枯葉が堆積しています。

写真では分かりづらいですが、筒の断面積の1/3程度堆積しているような状況です。

この堆積状況からすると、半年に1回程度の頻度で全ての枯葉防止ネットを取り外して掃除する必要がありそうです。
もちろん、このためには二連梯子を掛ける必要があるのですが、それならネットが無いほうが掃除しやすくて作業時の危険も少ないぐらいです。

そんなわけで、枯葉防止ネットは再設しないことにします。
とは言え、年に数回、二連梯子をかけて2階の軒樋を掃除するのは手間が掛かりますし、何より危険です。
ほかに方策はないものかと考え、思いついたのがコンプレッサーのエアー(圧縮空気)を吹き付けて枯葉を飛ばす方法です。
枯葉は風で吹き飛ばされて軒樋に溜まるのですが、さらに風を送って軒樋から吹き飛ばそうと言う考えです。
また、枯葉防止ネットは枯葉を溜まらないようにする方策ですが、発想を転換し、あえて軒樋に溜まらせ、溜まったものを吹き飛ばす作戦です。

エアーを吹き付けるのに二連梯子を登っていては意味がありませんので、2階の軒樋まで届く竿を使って作業できるようにします。
竿の必要長さを建物の断面図から検討します。

上図から竿の長さは5mあれば良さそうです。

5mの竿として、竹を使うことを最初考えて試すものの、1本ものを使うと重すぎ、細いものを2本継げば接続箇所が安定せず中々うまくいきません。
次に金属製パイプとして農業用ハウスの支柱(φ19.1mm)が安価で良いと考え、ホームセンターで実際に持ってみると重すぎ。
結局、軽いアルミパイプしかないと言う結論に。
アルミパイプの口径は、たわみを考慮してφ25mmにします(4m+1m、2本継ぎ)。

竿の先端には、エアーの吐出口を固定するとともに、軒樋に引っ掛けて安定させるための金具を取り付けます。

この金具は加工のしやすと、竿の材質(アルミ)との関係(ガルバニック腐食)からアルミ板を加工して作ることにします。

エアーの発生源となるコンプレッサーは離れの1階に保管してありますので、そこからエアホースを伸ばして接続すれば良さそうです。

こうすれば反対側(東側)の軒樋も同様に掃除できるようになります。

<続きます>

古民家再生:壁の仕上げ塗りと仏壇

3年前に行った主屋(古民家)の改修工事において、北西角の下屋部分はシロアリ被害が酷かったことから減築しました。

減築に伴い、内側に控えた箇所に新たに壁を設けることになりました。
壁はラスボード下地で、そこまでは大工さんに行っていただき、その後の左官工事(石膏プラスター+中塗り)は左官屋さんの手ほどきを受けてDIYにて行いました。

上写真は中塗り直後のものです(この時点では天井や畳は古い状態)。

ちなみに、下写真で奥の一番大きな壁は手本として左官屋さんに塗っていただいたところで、そのほかはDIYによるものです。
こうして遠目で見れば、本職も素人も変わりない出来栄えです(もちろん実際には歴然とした差があります)。

まだ中塗りの段階なのですが、表面をそれなりに仕上げておき(コテ押さえ)、2〜3年して余裕ができてから上塗り(仕上げ塗り)をしようと考えていました。
一向に余裕はできないものの、時だけは過ぎて3年が経ったことから仕上げ塗りを行うことにします。

仕上げ塗りの壁材は、統一感をもたせるため、3年前に客間側を左官屋さんに塗っていただいたものと同じもの(色)を使います。

この壁材はキング鈴井商会の「エコロジー」で、珪藻土を主成分とするものです。

当初は大手メーカーの聚楽壁(酢酸ビニル樹脂配合)が念頭にあったのですが、左官屋さんのオススメで、この壁材にしました。
合成樹脂を含まないうえ、自然なテクスチャーで上品な感じがして大変気に入っています。
ただ、今回壁塗りをするため左官屋さんご用達の建材屋さんで購入したのですが、価格が安物の2〜3倍ほどと高価なのが欠点です・・・。

価格はさておき、最大の問題は本職が使う壁材を私のような素人が扱えるのかです。
写真はありませんが、取説に従って練ってみると、これまでに扱ったことのある漆喰や聚楽とは違ってフワフワした感じがします。
パッケージに記載の仕様を確認すると、成分のひとつにパルプ繊維とありますので、これがフワフワ感の要因のようです。

繊維が配合されているため、表面の仕上がりがツルツルではなくて自然な感じになるのかもしれません。

そして、施工途中の写真はなくて一気に完成。

完成度は別として、私のような素人でもそれなりに塗ることができました。

近づいて見ても、興味のない人であればDIY施工とは気づかないことでしょう。

下写真のような小壁は塗りづらいのですが、小手先のコテさばきで乗り切りました。

窓から見える裏庭の景色も、新しい壁によって美しくみえるように感じます。

ちなみに、この部屋は昔、亡き祖母が使っていたのですが、そのときは下写真(改修工事前に撮影)のように暗くて薄気味悪い感じでした。

祖母の生前に改修してあげれば喜んでくれたことと思いますが、とりあえずは無事、仕上げ塗りまで終わったことを仏前に報告しておきましょう。
と言うことで隣の仏間に行くと、どうにも仏壇の前にしつらえてある襖が気になります。

この襖は慶事などで祝いの席を設ける際に仏壇を隠すためにあるようです。
我が家の要である仏壇を隠す必要はないようにも思いますし、この襖は片側が床柱(丸太)に取り付けてあるため、開けた時に傾いた形になって気持ち悪いのです。

襖自体も経年による汚れ(シミ等)が目立ってきていますので、この際、撤去することにします。

撤去完了。

二重にあった扉が仏壇のものだけになってスッキリしました。

ちなみに、この仏壇は明治18年(132年前)に私の高祖父(4代前)が仏壇屋(荘五郎)さんに作ってもらったもので、古民家の主屋(明治44年築)よりも古いものになります。
このように古いですし、仏壇屋さん曰く1間幅の仏壇を作るには1千万円近くかかるとのことで、これは大変なことだと思っていました。
しかし、こうして見ると状態も悪くなく、あと100年は大丈夫のようにも見えます。
古民家同様に大切にしていけば良いのかも。

仏壇の左右の端には下写真のとおり紙を剥がした跡がありますが、これは祖母が仏壇との隙間から汚れた荒壁が見えるのを嫌って目隠ししたものだそうです。

また時間ができたときに仏壇を一旦移動させて壁を綺麗に塗り直せば(中塗り)、祖母も満足することでしょう。

とりあえずは紙片を綺麗に剥がしておきます。

ゴタゴタしてしまいましたが、仏前に仕上げ塗り完了の報告です。