月別アーカイブ: 2017年10月

古民家の自然換気(23)竹天井と漆喰壁

前回、土壁に上塗り(漆喰)を施しました。
土壁に関しては、これで完成となりますので、以前に作製した竹の天井材を全て設置します。

竹の隙間からこぼれる日差しが漆喰壁に映り、良い感じです。

室内は十分に明るくなりますし、この程度の日差しであれば、夏季に室温が上がることもないでしょう。

杉板の天井部分とも合っているように感じます。

最終的にDKの天井は、竹天井(下写真で左側)、杉板天井(中央)、障子天井(右側)の3種類となりました。

あと、意図したわけでありませんが、厨子二階へ上がるための開口部を開けておくと大黒柱(上写真で朱色矢印)が棟木まで伸びているところを見られるが意外と良いように感じています。

こうして竹(どうしの隙間)を利用することで、換気と採光を図れるようになりました。
しかし、春・秋は良いとしても、今のままでは冬季の暖房時に暖気が屋根裏に逃げてしまいます(夏の冷房時も同様)。

このため、冷暖房時には竹天井部分を何らかの方法で閉じる必要があります。

竹天井の上に断熱材(スタイロフォーム等)を載せれば断熱はされますが、採光できなくなります(冬場こそ日差しを取り入れることで、暖房への依存を減らしたいものです)。
そこで、採光も確保できるように下図のとおり透明のプラダン(ポリカーボネート製)を竹天井の上に設置することにします。

プラダンは中空構造のため、断熱効果も期待できそうです。

ただ、ひとつ問題になるのは、この場所は厨子二階に柴を出し入れするところだったことから梁の間隔が広く、面面で930mmと3尺(910mm)より大きいのです。
3尺未満であれば、定尺のプラダン(3尺×6尺)が2枚あれば良いのですが、少しばかり大きいために4枚が必要となります(1枚約2,000円)。

そこで、建具のような枠を作り、その枠を含めて930mm以上のサイズにできれば、プラダンは2枚で済みます。
作製するのに手間はかかりますが、枠があればプラダンがしっかり固定されますし、開閉する際にも使い勝手が良くなるように思います。

その枠のサイズを検討します。

見えるところに設置するわけではありませんので、野縁材(40mm×30mm)をそのまま使うようにしています。

それでは、上図に基づき作っていきます。
まずは野縁材を必要長さで切断します。

続いてはホゾの加工です。
ホゾの胴付きはテーブルソーを使って加工しているのですが、私の小型テーブルソーで今回のような6尺近くも長さがある材を加工するのは困難(危険)です。
そこで、枠作りは一旦中断し、テーブルソーの拡張テーブルを先に作ることにします。

<続きます>

雨水対策(9)枯葉防止ネットの効果と課題

主屋(古民家)の雨漏り被害に懲りたこともあり、降雨時には雨樋が問題なく機能しているかなど、点検するようにしています。
雨樋については、梅雨前に掃除しており、その後は落葉期でもありませんので、それほど心配していませんでした。
しかし、先般の降雨時に、下図(青線が雨樋)に示すA、Bの2箇所で樋から雨水が溢れているのを見つけました。

Aの箇所については、最も落ち葉が溜まりやすいうえ、2階建てで樋掃除が困難であることから、今年6月に樋を掃除した際に枯葉防止ネットを設置したところです。

雨水の溢れ方を見ると、集水器(たて樋との接続箇所)の手前側1mほどの範囲でオーバーフローしているのが分かります。

集水器付近に落ち葉が溜まり、それが流れを阻害しているのだと考えられますが、折角も設置した枯葉防止ネットはどうなっているのだろうかと疑問に感じます。

そこで面倒で危険ですが、二連梯子を登って状態を確認してみると・・・

やはり、集水器付近に落ち葉が溜まっています。

しかし、一体全体、円筒状の枯葉防止ネットのなかにどうやって入り込んだのか??
一旦取り外して確認することにします。

上写真では分かりづらいですが、溜まっている落ち葉の多くは竹の葉です。
竹の葉の中でも小さく細かいものであることから、網目を通り抜けて枯葉防止ネットに入り込んだのだと思います。
そして、枯葉防止ネットの中に入り込んだものの、今後は網目に引っ掛かって、たて樋へと流れることができず、集水器のところに溜まっているわけです。

竹だけではなく、近くには杉の木などもありますので、春に舞う花粉や落ち葉は、とても枯葉防止ネットでは防ぎきれそうにありません。
結局のところ、このような条件下においては定期的に取り外して掃除する必要があると言うことです(広葉樹を含め一定の効果があると思われ、今回、溜まっていたのも集水器付近に限定されています)。

そこで、集水器付近の枯葉防止ネットを定期的に取り外して掃除しやすいように、下写真のとおり分割して設置し直すことにします(1本の長さが2mあるため、今回取り外すのに難儀しました)。

状況によっては、数年おきに全区間の掃除も必要になるかもしれません。

もう1箇所、樋が機能していなかったのが下写真の水色矢印で示す箇所(最初の図で「B」)です。
ここは山から離れていて軒樋に溜まる落ち葉の量も少ないことから、たて樋の掃除はいつも省いていました。

こちらは集水器(大屋根側)から溢れていることから、たて樋が詰まっているようです。

晴れの日に状況を確認します。
たて樋は固定のためにシーリング剤のようなもので屋根に固定されていますので(下写真で朱色矢印箇所)、カッターナイフで切って外します。

写真を撮り忘れたのですが、やはり、たて樋が詰まっており、流出口から10cm以上堆積しているような有り様でした。

こちらも定期的に取り外して掃除できるように、たて樋は屋根への固定はせずにおきます。
とは言え、何らかの形で固定する必要がありますので、銅線を使って固定することにします。

ホームセンターで1.2mm径の銅線を購入(もう少し細いものが良かったのですが、売り切れでした)。

たて樋と、下屋の軒樋を結んで固定します。

その後の降雨時に確認してみると、溢れることなく流れています。

ところで、上写真で玄関の両側に椅子代わりに玉切りした丸太が置いてあるのですが、その上に何ものかが?

よく見ると、野良猫がそれぞれ1匹ずつ座って雨宿りしています。

昔の家は軒が深く雨に濡れることがないので、雨宿り場所としては最高なのでしょうね。

<続きます>