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古民家の自然換気(25)井桁形照明1

前回、冷暖房時に竹天井を断熱するためのプラダンを設置しました。

この竹天井の居室側には、照明器具を設けたいと考えています。
と言うのは、この部屋(LD)は15畳の広さがあるのですが、その広さに対して現在の照明では少し暗く感じるのです。

  • 直管蛍光灯:40W×1(部屋全体用)
  • 電球型LED:60形×3(食卓用)

部屋の広さに対する明るさの標準値があるそうで、下記サイトを参照すると、この程度の広さの部屋だと約6,000lm(ルーメン)となっています。

・家づくりを応援する情報サイト

一方、現在の照明器具の明るさを算出すると、次のとおり5,430lmとなります。

3,000(直管蛍光灯40W)×1+810(電球型LED60形)×3=5,430lm

先の標準値よりは小さいものの、もっと暗いのではないかと思っていたので意外です。
以前は直管蛍光灯(40W)3本と丸形蛍光灯(30W)2本がついており、次のとおり10,600lmもあったため、それに慣れて暗く感じるのかもしれません。

3,000(直管蛍光灯40W)×3+1,600(丸形蛍光灯30W)×2=10,600lm

そこで、不足分(約600lm)を補う形で、この竹天井部分に下写真のとおり電球形LEDを2箇所追加すると良さそうです。
電球形LEDの種類(明るさ)は、先の計算結果から消費電力の小さい30形(325lm)や40形(485lm)で十分そうです。

その電球形LEDは、そのままぶら下げるのもシンプルで良さそうですが、竹天井に似合うような照明カバーがないものか?

ところで、竹天井自体は一年ほど前に作った井戸の竹蓋から思いついたものです。

この竹蓋を掛けるために、その下には木材で井桁を組んであるのですが、これに倣い、今回の照明には井桁形のカバーを被せれば竹天井と似合うのではないでしょうか。

(井戸)           (主屋)
 竹蓋 ←--------→ 竹天井
 井桁 ←--------→ 井桁形照明

どうでも良いことですが、この関係を拡大すると下図(断面)のとおり、居室が井戸の中に相当することになります。

居室から竹天井を見上げれば、井の中の蛙が外界を見上げたときのように太陽光が射し込むのを感じられるかもしれませんね。

この井桁形の照明カバーは、井桁を作ったときと同様に相欠きとホゾで組んで作ることにします。

材のサイズは8分×6分としていますが、どのような材を使うか?
天井材が「竹」ですので、「松」を使うと縁起が良さそうです。
松なら、ちょうどのこの部屋の天井に使われていた松の古材をストックしてありますので、これをリユースすることができます。

この板材(厚7分程度)から角材(8分×6分)を取ります。

まずは2面を手押しカンナにかけて直角の基準面を作ります。

この基準面に対して自動カンナ盤にかけて、板厚を6分にします。

続いて、テーブルソーを使って8分強の幅で挽き割ります(先に自作した拡張テーブルがここでも活躍!)。

これらを8分の高さで自動カンナ盤にかけます。

これで8分×6分の角材ができました(3尺×12本)。

虫喰い箇所もありますが、100年以上の古材とは思えません。
ただ、手間と時間がかかりますので、古材の再利用にこだわらなければ、ホームセンターでプレーナー加工済みの角材を買ってくるほうが手っ取り早いですね(角材の寸法は限定されてしまいますが)。

<続きます>

古民家の自然換気(24)プラダンによる断熱

竹天井は換気等を目的としていますが、冷暖房時にはプラダンを設置し断熱する考えです。
そのプラダンの枠を作ることにし、前回、材料の木取りまで行いました。

一方、この枠の作製において、テーブルソーでホゾ加工(胴付き)ができるように拡張テーブルを自作しました。

この拡張テーブルを使ってホゾを加工していきます。
枠やホゾの寸法は下図のとおりです。

四方胴付きホゾとしていますので、1箇所につき4面から切り込むことになります。
テーブルソーの定規をホゾの長さ(今回の場合、42mm)の位置に、刃高を胴付きの深さ(今回の場合、7・10・14mm)にセットして切り込んでいきます。

拡張テーブルのおかげで、このような長尺(3尺程度)の材も安定して送ることができます(拡張テーブルなしでは、材がブレてキックバックにつながる恐れがあると思います)。

この切り込みはもちろん手鋸でもできるのですが、直角に、しかも4面揃えると言うのは私のような素人には想像以上に難しく、ホゾを組むとあちこちに隙間ができてしまうのです。
それが、テーブルソーを使えば綺麗なホゾに仕上がります。

ホゾ穴も掘って、ホゾの加工完了。

続いて、プラダンをはめ込む溝を切ります。
溝のサイズは、プラダンの厚4mmに対して溝幅5.5mm、深さ10mmとします。
この溝切りもテーブルソーを使うことにし、以前に作製の溝切り用治具(フェザーボード、補助定規、溝切りカッター用刃口板)を用います。

先の図を描いているときは気付かなかったのですが、ホゾがあるため材の始端から終端まで通して溝を切るわけにはいかず、端部は下写真の状態までしか加工できませんでした。

残りはノミを使って手加工します。

溝幅5.5mmに対して、所有しているノミ(最小幅)は6mmのため、意外と手間がかかりました。
ホゾの大きさだけでなく溝幅もノミの幅を考慮して設定しておく必要があると言うことですね。

溝ができましたので、プラダン(ポリカーボネート製)のほうを加工します。
プラダンは定尺(3尺×6尺)のものを2分割して使います。

カッターナイフで切断。

これも図では気付かなかったのですが、枠の四隅はプラダンをはめ込むことができないため、切り欠きました(プラダン側を切り欠かない場合、ホゾに溝を切ることになります)。

枠を組みつつ、プラダンをはめ込みます。

はめ込めないと言うことはないはずですが、実際にはめ込めるとホッとします。

残る框を組んで、組み立て完了。

プラダンの厚4mmに対して溝幅5.5mmとしていますが、ちょうど良いぐらいです。

通しホゾで、今回はホゾ側を2mm長くしてあります。

この出っ張っている分を切り落として面一に仕上げます。

2個のプラダン枠が完成。

厨子二階へ運び上げて、竹天井の上に設置します(根太の上にプラダン枠の横框が載っています)。

冷暖房時は上写真のとおりとし、それ以外は下写真のように壁側に立て掛けておくことにします。

<続きます>