月別アーカイブ: 2017年8月

古民家の自然換気(13)天井用板戸の作製

前回、既存の照明器具を改造し、大和天井の梁から吊り下げる形で設置しました。

ところで、この照明の近くの天井には開口部(厨子二階への出入り口)があり、現状では開けっ放しになっています。

今の時期だと換気用にもなって良いのですが、冬(または夏の冷房時)は暖気(冷気)がここから逃げてしまいます(断熱材を設置できるようにはなっています)。
そこで、必要に応じて開口部を閉じるための板戸を作ることにします。

下図が開口部を含む平面図です。

板戸はサイズ(長さ)を開口部より幾分大きくし(1,200mm)、上図矢印の方向にスライドさせて開閉することにします。

また、板戸(戸車を取り付け)をスライドさせられるように、下図(断面図)のとおり大和天井の梁にレール(30mm×16mm)を設置します。

板戸のサイズ(幅)は大和天井の梁の間隔(803mm)から片側5mmの離隔を確保し792mm(≒803−5×2)としています。

以上により決定した板戸の長さ(1,200mm)と幅(792mm)をもとに骨組みを描きます。

最も単純なホゾ組みですが、自分の実力で図面なしでは加工ミスを犯すことでしょう(^^;
骨組みとなる角材は、手元にある杉の間柱(3.5寸×1寸×3m)から木取りすることを考慮し、30mm×26mmとしています。

図面ができましたので、後は余計なことを考えずに作っていきます。
まずは木取りから。

続いて、墨付け。

手間の掛かるホゾ加工。

で、楽しみの組み立て(^_^)

骨組みに対して羽目板(天井板として使ったものの余り)を張ります。

柿渋を塗布します。

ここで今更ながら戸車を取り付けるための穴を掘っていないことに気づきました・・・。
ただ、一般的な建具と異なり戸車の設置箇所がノミを使って掘りやすいところでヤレヤレ。

天井用の板戸の完成です。

<続きます>

古民家の自然換気(12)シーリングライトのペンダント化

前回、土壁の補修(中塗り部分)を行うとともに、煤などで汚れていた梁をクリーニングしました。

ところで、天井の張り替えに伴い既存の照明器具を取り外しました。
そして現在は、違う部屋のペンダントライトをとりあえず取り付けてある状態です。

シンプルなペンダントライト(天井から吊り下げるタイプの照明器具)ですが、古民家の太い梁に対して貧弱な感じで釣り合いが取れていないような・・・。

天井を張り替える前、ここには下写真のとおりシーリングライト(天井に直付けするタイプの照明器具)が設置されていました。

このシーリングライトを再設置すれば良いのですが、天井の張り替えにより天井高が高くなったことから、そのままではシーリングライトより下に位置する梁が影を作ってしまうのです。
ペンダントライトに買い替える手もありますが、このシーリングライトはまだまだ使えるため(それでも15年以上)勿体無いです。
そこで、このシーリングライトを古民家風のペンダントライトに改造することにします。

円筒形のプラスティックカバーの代わりに、障子の桟のようなもので直方体の箱を作り、それに障子を貼ってカバーにすれば古民家にも合いそうです。
とは言え、以前に障子もどきのもの(天井トップライト)を作った経験から結構な手間がかかりそうです。
そこで、カバーは追い追い作ることにして、ペンダント化を先行して行うことにします。

ペンダント化した照明器具は大和天井の梁から吊り下げます。
既存のシーリングライトは天板が薄いプレートでできており、このプレートを直接吊るのは強度的に無理そうです。
このため、プレートを板材(下図で茶色着色、杉20mm厚)で補強し、この板を吊り上げることにします。

板材の寸法は、将来、古民家風のカバーを作った際に取り付けやすように少し大きくしてあります。

また、既存のシーリングライトはVVFケーブルを直結するようになっているため、引掛シーリングで接続することができるように改造することにします(もちろんメーカーの保証対象外になります)。
必要になる電材をホームセンターで購入。

  • 引掛シーリング(ボディ)
  • 丸打ちコード(0.75)
  • 圧着端子(R1.25、TC1.25)

電工ペンチや木綿糸を使って組み上げます(漏電や感電の恐れがありますので安易な施工は禁物です)。

板材に照明器具を取り付け、先ほど作成した電源コードを繋げます。

カバーはまだ作っていませんので、とりあえずは元々のプラスティックカバーを取り付けておくことにします。

ヒートンとチェーンを使って天井の梁から吊り下げて、とりあえず完成です。

照明器具の位置(高さ)は丸太梁(上写真で照明器具の右側)と同程度になるようにしています。

<続きます>