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雨水対策(6)樋の延長

前回、雨樋の排水が谷の斜面崩壊を引き起こすことがないよう、その排水先を変えることにしました。
具体的には、これまで谷側(西側)に排水していたものを逆の東側に排水すべく樋及び排水路を延長(下図で青色及び水色の点線)する考えです。

まずは樋の延長から施工します。
下写真の青色点線で示すとおり樋を配管して流路を切り替えます。

建物を横断するような樋の配管なんて見かけたことがありませんが、水は流れるはずです(^_^;
問題は斜め配管部分を建物にしっかり固定できるかです。
たて樋の固定は下画像のような「でんでん」と呼ばれる金具が使われますが、これを必要な間隔で設置できれば良いわけです。


(パナソニック T字デンデン)

この「でんでん」は建物の胴縁などに固定することになりますので、断面図に胴縁の位置を書き加え検討してみます。

上図のとおり配管すれば、斜め配管部分に胴縁が3本ありますので、3箇所固定できることになります。
その間隔は広いところで1.8m程度となりますが、たて樋の施工要領書を確認すると約1m間隔で設置するのが望ましいとあります。
不十分な間隔ですが、自己責任ですのでこれで良しとしましょう。

ちなみに2箇所のエルボ(曲管)は一般的な105°のものを用いています。
105°はエルボの内角ですので、外角表記だと75°(=180°−105°)になります。
一般的には外角表記が多く内角表記に違和感を覚えますが、樋業界の慣習なのでしょうね。

さて、水糸を張って「でんでん」の設置位置に印を付けます。

上写真では梯子に隠れていて分かりにくいですが、右側(東側)の樋の合流箇所に「P型集水器」を設置しています。

斜め配管部分については、左側(西側)の樋の下方を切り取ったものを流用する考えですが、残念ながら長さが不足します。
不足分をホームセンターで仕入れてくるつもりが、少し前まで里山のゴミ回収をおこなっていたゴミなかに樋があることを思い出しました。

モノを調べてみると同じ口径(φ60mm)で色も同じです。
状態も良く、周りに捨てられているゴミに比べて年代も新しいようです(昔はφ55mmの樋が多かった)。
15年ほど前に離れを新築した際に余ったものをここに捨てたものでしょうか?
謎は深まりますが、いずれにしても再利用できますので、これを使うことにします(1,000円程度の節約に^_^)。

「でんでん」を設置し、樋を配管。

これで樋の排水先を谷(建物の西側)から離し、建物の東側に排水できるようになりました。

<続きます>

雨水対策(5)排水計画

前回、離れの雨樋をようやく掃除することができました

ところで上写真を見ると外壁の下方が汚れていますね。
これまでは樋が機能しておらず、軒樋から溢れ出た水の跳ね返りにより生じたものです。

近づいて見ると、土が付着しコケが生えているのがわかります。

このような状態はトタンでもさすがに良くないでしょうから、この機会に掃除することにします。
意外にしつこくこびりついているため、真鍮ブラシで丹念にゴシゴシ。

これで樋の詰まりが解消し、外壁の汚れも落として万事解決のはずですが、そうは問屋が卸しません。
と言うのは、樋の排水口(下写真で水色実線)が谷の近くにあるため、その排水が谷の斜面を削ってしまう恐れがあるのです。
何しろ、この谷の斜面は昭和30年代に樋の故障から崩落(円弧滑り)したことがあるため要注意です。

今考えると、離れの新築時に軒樋の勾配を逆にし(上写真で緑色点線)、樋の排水口を谷から離すようにすれば良かったのですが、後の祭りです。
軒樋の勾配を変えること自体はそう難しくないのかもしれませんが、その施工のためには足場を組む必要があり大ごとになります(さすがに二連梯子でやるのは危険です)。

対応策として、谷の斜面に排水管を敷設し斜面下まで排水させる案が思いつきましたが、どうもスッキリしません。
で、思い至ったのが、山側(西側)ではなく東側に排水する案(下図で青色及び水色の点線)です。

昨年、芝庭を整備した際に離れの近くまで排水路を延伸していますので、ここへ繋げば公共の排水路へ排水されることになります。
具体的には、上図で青色点線区間について樋を延長し、水色点線区間について排水路を延長します。

まずは、樋を延長・切り替え(下写真の点線)し、建物の東側に排水するようにします。

そして、昨年延伸した排水路を延長する形で排水路(下写真の点線)を設け、樋からの水を排水します。

<続きます>