月別アーカイブ: 2017年3月

耕作放棄地の再生(11)ハゼの木の伐採

前回、竹の伐採が一区切りついたことから、既に廃道になっている世古道の現状(下写真)を確認しました。

こんな悠長なことをしていると今シーズンの作業が終わったかのようですが、まだ続きます・・・。

竹と樹木の伐採により、とりあえず上流側の隣地(下写真で手前側)には迷惑がかからない状態になったように思います(とは言え、まだ樹木の樹冠が隣地の上空にかかっているところがありますね・・・)。

隣地の方には何十年もの間、境界から我が家の耕作放棄地側に幅3m以上、草刈りをおこなっていただいていました。
本当にご迷惑をお掛けし申し訳ありませんでした。

上流側(下図で左側)に続いては下流側です。

上図で「整備2」とある箇所の現状は下写真のとおりです。

説明するまでもありませんが、上写真で右側(上流側)が我が家の土地です。
土手に笹や灌木が生い茂り、そのうえ樹木の樹冠が隣地に大きくせり出しています。
現在は落葉していますが、夏になれば田面にまで影を落としているに違いありません。

7m程度の樹高がありそうですが、樹種は何でしょうか?
葉がないので見分けづらいですが、枝の様子を窺うと・・・。

この枝の付き方は、ウルシ科(ヤマウルシやハゼ等)のような。
しかし、ウルシ科であれば、この時期、枝先にブドウの房状の果実がぶら下がっていても良さそうなものですが、見当たりません。
というのもの、ヤマウルシやハゼは雌雄異株で、これは雄株のようです。

そして、ヤマウルシがこんなに太く大きくなることはないためハゼでしょう。
さらに細かくはハゼには「ハゼノキ」や「ヤマハゼ」がありますが、これは冬芽に芽鱗(下写真)があることから「ハゼノキ」のようです(素人判断ですので間違っているかもしれません)。

当地では、これらのウルシ科植物を(かぶれることから)「カブレ」と呼んでいます。
近所のおばあさんから「カブレは小さいうちに切っておけ」と聞いたことがありますが、ここまで大きくなってしまいました・・・。

こんなに大きいカブレの木を伐ったことはありませんが、意を決して!?切り屑を浴びながら伐倒することにします(私自身はこれまでにハゼでかぶれたことはありません)。

根元で伐っても、蔓が隣のカシなどに絡んで倒れてきません。

更に木屑を浴びて、ようやく伐倒完了。

根元付近で二股になっていたものの結構な太さがあります(鉈の刃渡りが18cm)。

この耕作放棄地は平成の初め頃までは町内の方に耕作していただいていましたので、それ以降に大きくなったのだと思います。
ハゼがここまで大きくなるのも驚きですが、成長の速さもスゴイものです。

伐倒したまま放っておくわけにはいきませんが、玉切りや枝のばらしなどの後始末は翌週末におこなうことにします。
ひょっとするとかぶれてしまっているかもしれませんので、念のため(^_^;

<続きます>

里山整備2017(7)剪定屑などのゴミ投機

里山内の竹の間伐・更新により、林内に光が射し込むようになっています。

竹の間伐・更新に加え、今シーズンからは樹木の伐採(林縁部)も始めました(下写真はその内の1本)。

その結果、これまで陰気だった自宅裏の様子が明るくなってきました(里山は自宅の裏手)。

下写真は、上写真と同じ場所を3年前に撮影したものですが、林内が暗く薄気味悪い状態でした。

裏庭がちょうど里山を借景?にする位置にあるのですが、里山が明るくなったことで、庭も明るくなったかのようです(下写真のビフォー・アフター)。

<ビフォー:2013年12月>

<アフター:2017年3月>

また、畑側から見ると、病気(テングス病)にかかった竹が密集し、いかにも荒廃した感が強かったのが、若々しい緑で覆われてきました(冬は竹にとっては夏のような季節で本来は元気があります。下写真のビフォー・アフター)。

<ビフォー:2014年1月>

<アフター:2017年3月>

以前は里山内で作業をしていると白昼でも薄気味悪く、お化けが出そうで怖いぐらいでしたが、今では逆に林内のほうが清々しさを感じるほどです。
ただ、今でも薄気味悪く感じる場所が1箇所残っています。
それは下図で朱色破線で囲む箇所です。

ここは谷状の地形になっています。
もともと谷状の地形だったところへ昭和30年代に斜面が崩れたことで、谷の法肩がさらに自宅側に近づいています。

谷状になっているためゴミを捨てやすく、またゴミで谷を埋める?目的もあり、3年前まではここを藪と呼んで剪定屑や草を投棄していました。
その結果、山のなかでは上から投棄されるゴミに押されて竹が倒れ、凄まじい状態になっていました・・・。

そこで3年前に剪定屑などのゴミを捨てるのをやめるとともに、倒壊している竹の整理をおこないました(下写真は3年前に整理した後の状況)。

上写真で斜面上部にある大きな塊がこれまでに捨てていたゴミです。
相当な量があり、剪定屑だけでなく丸太なども混じっているため、途中で引っ掛かって下まで落ちてきません。
竹や樹木を押し倒しながら、3年が経過した現在、斜面の中腹まで落ちてきています。

ところで、剪定屑などのゴミを谷に投棄すると、一見、谷が埋まった(盛土した)ようにみえます。
しかし、当然いずれは腐って体積がほとんど無くなるため、(現実的に)谷が埋まることはありません。
逆に、投棄され続けるゴミが覆いになり草や樹木が生える余地がなくなるとともに、土が肥える(軟弱化する)ことにより、斜面の強度は弱くなると考えられます。
ちなみに、道路や河川の土手は定期的に草刈りがおこなわれていますが、それは草を生やしつつも、土が肥えすぎて軟弱になるのを防いでいるのであり、それと真逆のことをやっていたわけです・・・。

自己弁護になりますが、このように山に捨てるようになったのはダイオキシン規制により田舎でも剪定屑などを野焼きしづらくなったことにも一因があるように思います。
そう思うと、田舎においてこそ剪定屑などの木質資源を有効利用できる薪ストーブやボイラーなどの必要性が高まっているのかもしれません。

閑話休題

今後、剪定屑などは山ではなく畑に捨て?畑の肥やしにしたり、燃やして燃料とするつもりです。
既に捨てられているものも、そう遠くない将来、自然に土へと還っていくことでしょう。
実はこの谷には、自然に還らないゴミ(本物のゴミ!)も投棄されているのです。
これがこの一帯を薄気味悪くさせているほか種々の問題を起こしています。
これについては次のブログ記事に記載したいと思います。

<続きます>