月別アーカイブ: 2016年10月

薪ストーブの導入(10)ストームカラーの設計

前回、シーリング材を使って屋根貫通部の防水処理を行いました。

img_4113

その後、降雨がありましたが、雨水が侵入することはありませんでした。

しかし、シーリング材だけでの雨仕舞いは少し心もとないように感じます。

煙突メーカーのカタログをみると、煙突に対して襟のように取り付けるストームカラー(storm collar)というものが市販されています。

collar_flushing

しかし、上の写真のとおりフラッシング専用のものであり、煙突瓦には合わないかもしれません。
ストームカラー自体は6,000円程度ですが、煙突瓦に合わなかった場合、ゴミになってしまいます・・・

そこで、市販のものを参考にして煙突瓦用のストームカラーを自作することにしたいと思います。

storm_collar_image

材質は市販のものはステンレスです。
ステンレスに比べ耐久性は劣りますが、安価で加工も容易なトタンを使うことにします。
以前、トタンを使って自動カンナ盤用の集塵フードを作製しました。
木材ではなくトタンを使ったのは、薪ストーブの導入においてトタン(不燃物)を使う場面があるだろうから慣れておきたいという思いがありました。
今回、その練習の成果が出ると良いのですが(^_^)

形状は円錐をベースとし、その上部を水平にカットし、下部を屋根勾配にあわせて斜めにカットすれば良さそうです。

stove2-5

・上部の直径: φ202mm(煙突の外径φ200mm+α)
・下部の直径: φ290mm(煙突瓦開口部の襟の外径+α)
+α分の隙間はシーリング材を充填します。

トタンを巻いて作製しますので、展開図が必要になります。
中学校(小学校?)で習った数学をかろうじて覚えていますので円錐の展開図は描けそうです。
しかし、問題は下部の斜めカットです。

残念ながら高等数学を駆使するような学はありませんので、力技で描きます。

storm_collar_design

詳細には触れませんが、図を見ると描き方が分かるかと思います。
(左が断面図で、片側について10等分しています。それぞれの母線の長さを測り、右側の展開図に写し取っています。)
CADを使っていますが、手書き(コンパスと分度器)でも可能です。

展開図(上図の右側)はできましたが、原寸大でトタンに罫書くのは大変です。
こういうときにCADは便利で、原寸大で紙に出力することもできます。
そして原寸大で出力したものを形紙としてトタンを切ることにします。

大型プリンター(プロッター)を所有していませんので、家庭用プリンターで出力できるようにA3用紙2枚に配置したものを作ります。
(本当は3枚必要ですが、紙の節約のため2枚に収めています。そのため一部が欠けています。)

1枚目

storm_collar_print1

2枚目

storm_collar_print2

<続きます>

薪ストーブの導入(9)屋根貫通部の防水処理

屋根貫通部の煙突設置により煙突位置が確定したため、前回、煙突の本設計を行いました。

一方、煙突の屋根貫通部に関して、煙突瓦の貫通部の口径φ215mmは、煙突の外径φ200mmに対して若干大きくなっています。
この隙間から雨水が入り雨漏りの原因となりますので、防水処理を行うことにします。

stove1-8

昔あったカマド用の煙突は陶製であったため、煙突瓦との隙間には漆喰を充填していたそうです。
しかし、スレンレス製の煙突に漆喰は付着しませんので、シーリング材を使用することにします。

シーリング材は、瓦との接着の強さを期待して瓦用のものを選びました。

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耐熱シーリング材も売っているのですが、二重煙突ですので、そこまで必要ないでしょう。
瓦用シーリング材も真夏の炎天下にさらされるものであり、パッケージに耐熱性が謳われています。

まずはバックアップ材としてアルミホイル(不燃物)を隙間に詰めます。

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バックアップ材を支えにしてシーリング材を充填していきます。

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離れてみると、このような感じです。

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煙突瓦を使用している事例はほとんどないと思いますが、すっきりした収まり具合です。

ちょうど瓦屋さんがシールしたところが目につきました。

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さすが本職、迷いが感じられない塗り方をされています。

まだ煙突は屋根貫通部の1本だけしか設置していませんので、煙突上部にビニール袋を被せ養生しておきます。

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<続きます>