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竹ボイラーの導入(29)自作パネルヒーター②ガルバニック腐食

前回、パネルヒーターの構造について検討し、下図のとおりとすることにしました。

熱交換器となる銅管を組み、それをアルミ製アングルで支える構造としています。

ところで、こうした構造にすると銅(銅管)とアルミ(アングル)の異種金属が接触するため、異種金属接触腐食(ガルバニック腐食、電食のひとつ)が生じる恐れがあります。
市販のパネルヒーターなどを見ると、銅管にアルミ製のフィン(fin:ヒレ状のもの→伝熱面積UP)が取り付けられているため、銅とアルミとの組み合わせは特に問題ないのだろうと深く考えていませんでした。
しかし、中学生のときに習った金属のイオン化傾向「貸そうかな、ま(Al:アルミ)当てにするな、ひ(Cu:銅)すぎる借金」を思い出すと、アルミと銅との電位差は大きいです(アルミが銅に対して卑→腐食が進む)。

<金属のイオン化傾向>

ガルバニック腐食と言えば、鉄とスレンレス(合金で銅と同程度の電位)との間で生じることが良く知られていますが、イオン化傾向だけを見ると、アルミと銅との組み合わせのほうがヤバイいことになります。
ただ、腐食のしやすさは単純に電位差だけで決まるものではなく、例えばアルミとスレンレスの間では比較的生じにくいようです。

また、ガルバニック腐食は異種金属の間に水が介在することで発生します。
このため、今回作成するパネルヒーターを暖房用途(温水を通水)にしか使わないのであれば(市販のパネルヒーターと同じ)、銅管表面が結露することはなく、腐食は生じにくいことになります。
しかし、将来的には冷水を通して井戸水クーラーにも使いたいと考えており、その場合には結露します。

アルミと銅との組み合わせで、しかも結露する条件下でガルバニック腐食が生じるのか?
実験して確かめる手もありますが、長期的なことを考えると対策しておくほうが良さそうです。
ガルバニック腐食対策は、その発生条件から次の方法を思いつきます。

  1. 電位差が小さくなる金属を用いる。
  2. 金属間に水を介在させない。
  3. 金属間を絶縁させる。

1.について、アングルの材質を銅やスレンレス(銅と同程度の電位)に代えれば良いですが、一般には入手しづらく、入手できたとしてもコストや加工面で難があります。
2.については、先に記述したとおり暖房用のみに限定しなければなりません。
と言うことで、3.の絶縁となります。

銅管とアルミ製アングルを絶縁するには、アルミが接する箇所の銅管表面に防食テーブでも巻いておけば十分ではないかと思います(素人考え)。
ただ、銅管の支持具合と見た目が今ひとつで、何か良いものはないかと探したのがグロメット(本来の用途は電気ケーブルの保護)です。


<Wikipedia「グロメット」より>

これを銅管とアルミ製アングルとの間にはめ込むようにすれば、絶縁を図ったうえ、銅管を保護しながらも確実に支持できるのではないかと考えました。
なお、グロメットは銅管(100℃近くまで上がる可能性あり)に取り付けるため100℃の耐熱性があるものを使用します。

ガルバニック腐食への対策方法が決まったため作製に入ります。
まずは、銅管の支柱部分をアルミ製アングルを使って作ります。

アングルはL-30mm×30mm×t2mmのものを使います。
これに銅管(φ15.88mm)を通す穴をあけますが、これで銅管の位置が決まりますので正確にポンチします。

穴は金属用ホールソーを使ってあけますが、念のためドリルで誘導穴をあけておきます。

グロメットは銅管(φ15.88mm)に合うものをMonotaRoで探したところ、φ15mm(内径)×φ19mm(外径)のものが見つかりました(20個で約300円)。
このグロメットの外径(φ19mm)から、アングルにはφ20mm(≒φ19mm+0.88mm)の穴をあけます。

問題なく全ての穴があきましたので、不要部分を切り落とします(丸ノコにアルミも切断できる鋸刃「オールマイティ」を装着)。

バリを落とし、支柱部分の作製はとりあえずここまでとします(次に銅管を組んでいきます)。

<続きます>

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