2020整備」カテゴリーアーカイブ

里山再生:シイタケの収穫と植菌

前回、倒木のクヌギをストーブ用の薪に造材しました。

薪用には上写真に写っている幹の太い部分を用いました。
もちろん細い部分もあり、直径10cm程度のところは長さ90cm程度に玉切りして引き上げてきました。

これらを何にするかと言えば、シイタケのホダ木です。
クヌギはシイタケのホダ木としても適しています。
この程度のサイズのものが4、5本もあれば十分な量のシイタケを収穫できるようになりますので、100駒(=25駒×4本)分の種駒を買ってきました。

シイタケと言えば、収穫時期は春と秋ですが、当地では冬の間も少しずつ収穫できます。
そこで、2年前の今時分に植菌して里山内に伏せてあるホダ木の様子を見にいくと・・・

うじゃうじゃ上がっています!
本来なら嬉しいところですが、いくら暖冬とは言え1月下旬にこれほど上がるのは自然環境の異常さを感じざるを得ません・・・。

この近くには5年前に植菌したホダ木も伏せてあるのですが、こちらは朽ちて昨秋から全く上がっていません。

シイタケは植菌後2夏経過して収穫できるようになりますので、収穫できる期間は3シーズンが限界のようです。
と言うことは、2〜3年に1回植菌すればコンスタントにシイタケを収穫できることになります(シイタケのためだけに木を伐採するようなことはしませんので、原木を入手できたときの楽しみです)。

さて、今回入手できたクヌギのホダ木への植菌です。
電気ドリルで穴をあけ、その穴に種駒をゴムハンマーで打ち込んでいきます(詳細な手順は以前のブログ記事に記載したため省略)。

こうして植菌を終えたホダ木は里山に運んで仮伏せします。
朽ちたホダ木をどけ、以前と同様に棚積みした竹を枕して伏せます。

乾燥を防ぐため竹の枝葉を被せて仮伏せ完了です。

本来は梅雨期に仮伏せから本伏せにし直す必要があるのですが、こうしておけばその頃には竹の葉が落ちて自動的に本伏せに移行することを狙っています(2年前もこうしましたが、ちゃんとシイタケが上がっていると言うことは問題ないようです)。
あとは2年後の収穫を寝て待つだけです(^_^)

朽ちたホダ木は、そのまま林内に置いておけば良いのですが、畑に運んで堆肥としてさらに活用することにします。

畑は、畝間に溝状のところがありますので、そこに並べるようにして置けば邪魔にもなりません。

溝の底には既に竹(桿の部分)が入っていますが、これはお正月の門松に使ったものの再利用です。

既に砕けてチップ状になっているものは果樹の根元に敷いてマルチにします。

里山は長年の放棄により、ある意味肥えた状態にありますので、その一部を畑に移すことで、化学肥料の使用により低下した地力を回復させたいと思っています。

里山再生:倒木(クヌギ)を造材

自宅裏の里山整備について、前回のブログ記事のとおり、年末から作業を開始し1月のうちに竹の間伐を終えられました。

上写真で中央に太いクヌギの木が写っていますが、この里山にはクヌギの大木が点在してあり、これらのクヌギは昔、木炭を作るため植えられたようです(斜面を上がったところに地域の炭焼き窯もあったとのこと)。

この冬、竹を間伐するために里山に入ったところ、そのうちの1本が倒れていることに気づきました。

昨シーズン、この周辺にクヌギの太い枝が落ちていましたので、衰弱していたところを、昨年の台風により倒れたのかもしれません。
太いクヌギですので、これを造材すれば良い薪が入手できます(^_^)
ただ、竹や木の枝を巻き込んでいるため、慎重に作業しなければなりません(上写真ではかかり木になっているようにみえますが、実際には頭部が着地しています)。

ちなみに、下写真は6年前に里山を整備し始めたときに撮影したものですが、写真中央の倒木(スギ)が周囲の竹などにかかり、かかり木の状態になっています。

これでは危険なため周辺で作業できませんし、倒木を薪などとして利用することもできません。
里山の恵みを得るには、やはり一定の管理(3,000m2で1〜2日)が必要であるように感じます。

倒木したクヌギを薪用に造材することにします。
作業は倒木が斜面の下流側に転げ落ちる可能性があることから上流側で行うことにし、その際、支障になる下写真の朱色矢印で示す枝を取り除くことにします。

それほど太くない枝のため、サクッと切り落とせば良いように感じてしまいます。
しかし、倒木により押さえつけられ、枝自体に相当大きな引っ張り力が作用していることに要注意です(スプリングポール)。
そこを安易にチェンソーを使って切れば、一気に力が解放されてチェンソーもろともはじき飛ばされかねません。
幸い、今回の場合は枝の付け根で折れているため、ある程度、力が解放されているようです。
とは言え、浅い切り込みを入れて少しずつ引っ張り力を解放するようにして切断します。

これで倒木の上流側に作業場所が確保できました。

次に幹の中ほどで浮いた状態になっているところを切ることにしますが、両端が支えられているため、幹の上側に圧縮力、下側に引張力が作用しているはずです。
と言うことは、伐倒時のように受け口を作る形で①上切りしたうえ、②下切りするようにすればチェンーソーのガイドバーが挟み込まれることなく切断できそうです。

無事切断でき、全体が地面に着いた状態になったため、薪の寸法(35cm程度)で玉切りしていきます。

こうして玉切りしたものを背負子を使って運ぶことになります(上写真は一部)。
距離は20m程度なのですが、何しろクヌギは密度があるため重たいです・・・。

太いものは2玉を積むのが精一杯です。
果たして、この冬の間に運び終えられるだろうかと重たい気分になりつつ、少しずつ時間をかけて運ぶことに。
ところが、意外にも早く運び終えられ、その運んだ一群を見みると、あの大木のクヌギを運んだことに正直感心しました。
私自身、心身ともにひ弱なため、やる前から機械や道具に頼ることを考えてしまうのですが、人力のパフォーマンスは私が思い込んでいる以上に高いのかもしれません。

こうして運んだものを薪割りします。

クヌギは重く硬い木ですが、太いものでも斧だけで気持ちよく割れてくれます(もっと割りたい気持ちになるぐらいです)。
クヌギが薪炭材として重宝されたのは火持ちの良さに加えて割りやすさにもありそうです。