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雨水対策(18)雨水浸透排水路の延伸と播き芝

先般、主屋のアプローチに播き芝を行いました。

こうして少しずつ手を入れていることもあって、主屋の表側(南側)については、それなりの状況を保っています。

しかし、主屋の裏側(北側)までは手が回らず、下写真の有り様です・・・。

父亡き後、除草剤を撒くのを止めたものの、草取りもしていないため草ボウボウ。
さらに、主屋(上写真で左側)に沿って古瓦が雑然と並べてあるのも見苦しいです。
この古瓦は軒の雨垂れが主屋側に跳ね返らないようにと、4年前の改修工事の際に当面の対策として講じたものです(軒先に雨樋はついています)。
仮の状態で4年が経過したことに我ながら呆れますが、主屋の裏側も少しずつでも整備していくことにします。

この主屋裏側については、排水性を改良するとともに、雑草を芝に置き換えたいと考えています。
芝の生育には水はけに加えて日当たりの良さが欠かせませんが、ここは時刻によって主屋の陰になるため、芝がちゃんと生育するかどうか確認すべく、昨秋、実験的に播き芝を行なってみました(下写真が播き芝直後の様子)。

それから半年以上が経過し、現在の様子が下写真です。

無事根付いて緑が濃くなってきています。
雑草も生えてきていますが、その量は以前に比べて少なく、芝が雑草を抑えているのがわかります。

日照についてはクリアするとし、あとは水はけです。
土地の排水性を改善するため、ちょうど1年前の今頃、この下流側に整備した雨水浸透排水路(下写真)を延伸させることにします。

この施工済の排水路に接続させるとともに主屋に平行になるように水糸を張って排水路の位置を決定します。

雨水浸透排水路と言う小難しい名前を付けていますが、単なる土水路です。
水糸に沿って幅30cm、深さ30cm程度の溝を掘ります。

掘り上げた土は隣接する通路に敷き均し、排水路及び下流側に向かって下り勾配になるようにします。
地山の土は粘性土で芝の生育には余り適していないと思いますが、改良せずにこのまま(水はけの良い山砂などで置き換えない)播き芝を行うことにします。

播き芝に用いる芝のランナーは主屋表の芝生を切って用います(新たに購入する必要がありません)。
今の時期(春と秋)は芝が盛んに成長する時期で、下写真の箇所は昨春に播き芝したばかりにも関わらず隣接する敷石(石畳)のところにまで侵入しています。

侵入している部分を切って播き芝用に使えば一石二鳥です(当面は播き芝用にランナーが必要なので都合良いですが、いずれは敷石側に侵入しないように根止めしたほうが良さそうです)。

切って集めたランナーはしばらく水に浸けて水揚げさせます。

これらのランナーを雨後を狙って先に敷き均した土の上にばら播きます。

ばら播いた後、板で押さえつけて土と密着させますが、このとき雨で土が湿っていると土(粘性土)が糊の役割を果たして良い具合に密着するのです。

この上に目土として山砂を被せて播き芝の完了です(土が湿った状態で行なっているため、水やりも行う必要がありません)。

ブログでは1回の記事で書いていますが、実際には時間の空いたときに作業ができるように、いくつかのエリアにわけて上流から下流に向けて尺取り虫のように進めています。
こうして下流側に進めていくと、大きな敷石が行く手を阻みます。

上写真で左側には昔、土壁造りの納屋が建っており(今は鉄骨倉庫)、そこに「機織り部屋」と呼ばれていた部屋がありました。
その機織り部屋に主屋から渡るための敷石が、納屋無き後も残っているのです。
今となっては邪魔なだけですので撤去することにしますが、特に真ん中の敷石は大黒柱の礎石になるぐらい大きく、そう簡単には持ち運べません。
こういうときは原始的なテコとコロの原理を活用し、掘り上げて邪魔にならないところまで移動。

敷石をクリアすれば、次は植木(ナンテン)が行く手を阻みます。
ナンテンのような灌木なら掘り上げられないこともありませんが、ナンテンを優先して排水路を蛇行させることにします。

建物に近接して樹木などを鬱蒼とさせると、湿気が溜まって建物に良くありませんが、この程度なら問題ないでしょう(主屋との離隔は約2m)。
ちなみに、以前この場所(主屋と倉庫との間)は下写真のとおり樹木で鬱蒼としていました。

当時は除草剤を撒いていたので雑草は生えていないものの、主屋(古民家)側は湿気って空気が淀んでいる感じがします。
実際、隣接する主屋の土台はシロアリにやられていたため、注意せねばと思っています。
とは言え、植物は様々な面で大切な役割を果たしていますので、無くすのではなく、芝や灌木に置き換えることで通風も確保されるようにしたいと考えています(下写真で通路の突き当たりにコンクリートブロック壁がありますが、いずれはこれも解体あるいは低くして風通しを良くするつもりです)。

排水路の蛇行部分も播き芝完了。

排水路(雨水透水排水路)については、溝への竹や石(コンクリート塊)の投入が残っていますが、播き芝のように時期に制約がないため追い追いやっていくことにします。

台風による瓦の飛散と補修

今年9月は非常に強い台風が2回(21号、24号)も襲来しました。
そのうち台風21号(9月4日)では畑に隣接する大木の枝が折れ、その対応に追われました。

ヤレヤレと思っていたのも束の間、30日夜には台風24号が直撃。
21号ほどの強さではなかったものの、翌朝になって敷地内を点検したところ、離れと里山との間で瓦が落ちているのを発見!
その瓦の種類は冠(かんむり)瓦と呼ばれるものです。


(写真は主屋のもの)

それほど古い瓦ではないため、離れ(15年程前に新築)の屋根瓦が台風で吹き飛ばされたのではないかと見上げてみるも特に異常はありません。
しかし、違う場所から改めて見ると、棟が鬼瓦と接する辺りに違和感があります。

屋根に登って直接、確認したいところですが、離れは2階建てで屋根が高いため安易には登れません。

ところで、ここの屋根は雨樋が詰まりやすく、昔(昭和30年代)、それが原因で山の斜面が崩落したことがあります(先般、雨樋掃除器なるものを自作し、ようやく雨樋掃除の目処がたったところです)。
ここは我が家の南西角で裏鬼門に当たるのですが、屋根のトラブルが続くわ、その先の山には大量の不法投棄ゴミがあるわで、本当に我が家の鬼門と言った感じです。

それはさておき、応急処置だけでもしておかないと雨漏りしかねませんので、意を決して二連梯子を掛けて屋根に登ることに(要安全対策:二連梯子の上下を固定、ヘルメット・安全帯の着用)。

棟のところまで登れば、足元が安定して一息つけます。

主屋(古民家)の屋根が見えますが、主屋は二階でも厨子二階のため、こちら(本二階)に比べると低いです。
主屋の屋根は薪ストーブの煙突掃除などで登っても、それほど怖いとは感じないのですが、こちらは足がすくむ高さです。

肝心の冠瓦ですが、やはり無くなっており、下の葺き土が剥き出しになっています。

また、冠瓦を固定してあった漆喰も剥がれ、破片が付近に落ちています。

とりあえずは葺き土が濡れないよう、応急処置として冠瓦(落下したもの)を被せておきます。

この状態を見ると、上写真で手前側の冠瓦は銅線で固定されているのに対し、落下した冠瓦だけは固定されていないことが分かります。
冠瓦は漆喰でも固定されるため、銅線まで掛ける必要はないと言う考えだったのでしょう。

仮に銅線で固定されていたならば、今回の台風でも落下は防げたかもしれませんし、ちょうど手元に銅線がありますので、それを使って固定しておきます(下図で朱色線)。

ひとまず、これで応急処置はできましたが、今後の本修復をどうするか?
素人考えでは、鬼瓦と冠瓦との隙間に改めて漆喰を塗り込めば、①両者の固定と②隙間の防水充てんができるように思います。
しかし、屋根工事は高所で危険なことに加え、誤った施工により逆に雨漏りを誘発してしまうおそれがあるため、安易なDIY施工は禁物です(主屋の改修工事の際に瓦屋さんが言ってみえましたが、DIY施工で桟瓦を棟方向にシーリングするなどして雨水の流れを阻害していることがよくあるとのこと)。
瓦屋さんに頼めば、この程度の漆喰であれば訳ないことでしょうし、屋根に登ったついでに他も点検してもらう良い機会になります。

と思いつつも、応急処置を行って現状もある程度把握できたことで、このまま最後まで修復してみたい気持ちに・・・。
と言うことで、ここからは何の知識も技術もない素人が無謀にも行うことですので決して真似されませんように。

作業は、漆喰を載せたコテ板を片手に持ち、もう一方の手でコテを扱うことになります。
屋根上で安全に作業できる方法を考えていると、そう言えば主屋(古民家)の改修工事では漆喰ではなくシーリング材を使ってみえたことを思い出しました(全てではなく場所によっては漆喰が使われています)。

シーリング材であれば扱うのが容易ですし、施工もコーキングガンを使えるためコテ&コテ板に比べて安全にできそうです。

そんなことで瓦用のシーリング材を調達。

系列の異なるホームセンターで、メーカーの異なる瓦用シーリング材を購入しました。
両者とも同じようなものだと思うのですが、セメダインのものには「接着」に加え「防水充てん」の記載があるのに対し、どういう訳かボンドのものには記載がありません。
今回は防水充てんの目的もありますので、念のためセメダインのものを使うことにします。

コーキングガンに装着したシーリング材を持って屋根に登り、鬼瓦と冠瓦との隙間に充填します(仕上げに15mm幅のヘラを使用)。

シーリング材も最初は何と扱いにくいものだと感じたものですが、コテと同じように慣れるに従って私のような素人でもそれなりに綺麗に仕上げられるものです。

これで台風被害にあったところは補修できましたが、シーリング材(330ml入り)は1/3も使っていないような感じです。
使い切りのもので保管は効かないでしょうから、この機会に反対(北側)の鬼瓦のところもシーリング材でやり直しておくことにします。

反対の鬼瓦のところに移動して状態を確認。

漆喰は剥がれていませんが、表面に苔やクラックが生じ始めています。
建築後15年ほどが経ちますが、これぐらいでやり直すのが良いのかもしれません(ノシ瓦の下の漆喰はしっかりしていました)。

漆喰を剥がし、瓦表面のゴミや汚れを取り除きます。

シーリング材を充填。

これで今後15年程度は大丈夫でしょうか。

無事、屋根瓦の補修が完了。
とは言え、素人施工です。
屋根は本当に重要なところですので、また何か瓦屋さんに頼むときにでも、ここも見てもらうことにしたいと思っています。