月別アーカイブ: 2021年3月

里山再生:ムクノキの伐採と薪作り

冬季に作業を行っている自宅裏の里山整備ですが、竹の間伐については今シーズン分を終えました。
樹木については特段支障になっているものはない一方、薪ストーブ用の薪(再来年に使う分)がほしいため伐採することにします。
既に目星を付けているものがあり、それは下写真で朱色矢印で示すムクノキです。

樹高20mを超える大木ですが、てっぺんのほうで幹が「く」の字に曲がっています。
以前は竹が生えていたので、その勢いに押されたようです。

根本から見上げても途中から複雑な方向に曲がりくねっていますが、全体的には重心は果樹園側にあるように感じます。

重心の方向や、掛かり木になる可能性、伐採後の材の運搬を考慮して果樹園側に伐倒することにします。
ただ、伐倒方向には数年前に植えた果樹があり、ムクノキの樹高から下敷きになる可能性があります。
そのときはそのときですが、一応、ロープで牽引して伐倒方向をコントロールできるか試してみることに。
スローラインを何度かトライして、なんとか下写真で朱色矢印で示すところにロープを掛けられました。

高いところに掛けるほどテコの原理により大きな力が作用して有利になるのですが・・・。

アンカーにする木にロープを引いてみると、なんと先にロープを掛けた箇所は樹高の1/5程度の高さしかありません!(下写真で朱色矢印が今回伐倒するムクノキ)。

これでは木を引き起こすような力は掛けられないでしょう。
ロープは伐倒方向の目印ぐらいにしか使えそうにありません。

それでは、ロープの方向を目印にして正確に受け口を作ったうえ追い口を切ります。
そして、伐倒。

無事伐倒できたものの、追い口が上写真で手前に向かって低くなっています。
追い口側(上写真で左側)にカシの木が隣接しており、それを切らないように気を取られてチェンソーの保持がいい加減になってしまいました。
今回は狙った方向に倒れたものの、これだとコントロールを失う可能性があり、これは大反省点です。

チェンソーワークは大失敗でしたが、ムクノキ自体はうまい具合に果樹と果樹の間を抜けて倒れてくれました。

先端の枝がスギの木に掛かる程度で、ほぼ無傷で済みました。

てっぺんのほうで「く」の字に曲がっていたところは下写真のようになっていました。

ムクノキは巨木にもなる木で、大きく枝を広げるようなイメージがありますが、このムクノキは、この「く」の字になっているところより下に枝は全くありません。
竹の勢いに押され、竹の高さを超えるところでしか枝を広げられなかったわけです。

伐倒したムクノキはいつものとおり玉切り&薪割りしてストーブ用の薪にします(下写真で木肌に少し赤みのあるのがムクノキ。黄色いのはアカメガシワ)。

ムクノキはエノキと同じ科(アサ科)の樹木で、エノキ同様に密度が高いため火持ちの良い薪になります。
ただ、重量があるので運搬が大変なのと、若干繊維が素直でなくて割りにくいです(太いところは楔で2分割しておかないと斧だけでは太刀打ちできない感じ)。

ところで、上写真で奥に写っているのが昨夏に設置した第3号薪棚です。
左の第2号薪棚と合わせてL字形で囲われた、このスペースを今シーズンから薪割り&薪の仮置き場として使っています。
薪はしばらくこの状態で雨ざらしにしたうえ(雨ざらしにする理由はアクや油分を落とすため)、梅雨明け頃に薪棚に収納するつもりです。

里山再生:雑木林への移行(竹の間伐)

昨年12月にスギの木の伐採から始めた今シーズンの里山整備も終盤に差し掛かっています。
作業内容は竹の間伐を中心としてほとんど毎年同じためブログ記事にはしていませんが、今シーズンも作業を進めてきました。

自宅裏の里山は3,000m2ほどの面積があり、そのうち下図でAとBのエリア(計2,000m2)は雑木林にすべく年々、竹を減らしていっています。

Aのエリア(約1,000m2)は既に竹がなく、Bのエリア(約1,000m2)は1年ごとに半分の密度へと間伐を進めているところです。
一方、Cのエリア(約1,000m2)は竹林として残すところで、坪1本の密度を維持するよう古い竹を更新しています。

下写真が既に竹がないAのエリアです。

林内は明るく、地面に落ちている枯れ枝等もウッドボイラーの燃料用に拾っていることもあって整然とした感じがします。

下写真が現在、竹を減らしていっているBのエリアです。

竹の密度を昨シーズンまでに4坪に1本にしてありますので、今シーズンはさらに半分の竹を伐採して8坪に1本(8畳間2部屋に1本)の密度まで減らしました。
写真では奥にある竹も写り込むため結構竹があるように見えますが、実際には相当疎らに感じます。

竹に代わって雑木が成長していますので、後2、3年で竹を皆伐できればと思っています(5年計画)。

ちなみに、このA、Bのエリア(特にB)は新しく竹を生やさないようにタケノコがあがってきた時点で全て採る(足で蹴飛ばす)ようにしています。
ただ、通常、タケノコ(真竹)は6月からあがり始め、6月半ばには落ち着くのですが、タケノコを全て採ると6月終わり頃まであがり続け、結果、6月一杯、毎週末タケノコ採りに追われることになっています。
6月と言えば梅雨で、林内は特に蒸し暑くて体力を消耗します。
そこで、今流行りの空調服(電動工具のバッテリーを共用できるためマキタ社のもの)を買って昨年着てみたものの、逆に蒸し風呂のようになって結局着るのをやめました・・・。

マキタ FJ500DZL

空調服は屋内で大工仕事のようなことをする場合はなかなか快適な一方、少なくとも梅雨の最中の山仕事には不向きです(土掘りなどの体力を使う作業には向いていない感じです)。

さて、下写真で中央にある道らしきものが旧道(赤道)で、この道を挟んで左側が竹をなくすエリア(雑木林エリア)で、右側が竹を残すエリア(竹林エリア)になります。

竹の根は浅く、しかも上からの圧力に弱いそうですので、この旧道を軽トラックが通れるぐらいに整備すれば右の竹林エリアから左の雑木林エリアへの侵入を食い止められて良いのではないかと思っています。

そして、下写真が竹林エリアです。

竹は既に坪1本の密度になっていますが、竹のほかに雑木もあるため今シーズンはもう少し竹の密度を落とすように間伐を強めに行いました。

以上の写真は林内の様子になります。
一方、林外(果樹園&畑)から撮影したのが下写真です。

山と言っても幅20m程度しかなく(山と言うよりも河岸段丘の斜面部に木が生えている状態)、これまでに整備したことで山の向こう側の光が透けて見えるようになっています(以前は真っ暗)。
夜間は車のヘッドライトや信号機の変化する色が覗いて良いものです。

ところで、今シーズンはスギの木を伐採しましたが、これは基本的に製材して使う予定です。
薪ストーブ用の薪(再来年用)も準備しなければなりません。
実は目星をつけているものがあり、それが下写真で朱色矢印で示すムクノキです。

樹高20mを超える大木ですので、これ1本でかなりの量の薪を確保できそうです。
次回、このムクノキを伐採することにします。